ピュアクライマーのロードバイク日記

平地が超苦手なクライマーの日記です。トレーニング・レースレポート・機材紹介/インプレッション・日記など書きます。

2018年ZwiftラストライドL’Etape du Tour その2

こんにちは、かずしんです。

 

さて前回の続きです。

pure-climber-kazushin.hatenablog.com

 

 

前回は序盤の三つの山、HILLYKOMボルケーノエピックKOM(ラジオタワーの激坂を含む)を走破しましたが、これから向かうのはこのレース一番の難所であり、勝負の別れどころでもあるAlpe Du Zwift(ラルプ・デュ・ズイフト)を走ります。

このズイフト世界での最難関クライムです。

 

距離12.2km・平均勾配8.4%・獲得標高1036m

見た目はとてつもなく壮大で、標高が高すぎるためか山頂付近は雲に隠れてしまい見えない状態。これぞキングオブマウンテンという外観になっている。

コースレイアウトも化け物じみたものとなっており、距離12kmと山岳としては最長、そして平均勾配9%を越えており麓から山頂までずっと激坂を走り続けるという事になります。

このコースの制作で参考にされたのは実際にフランスに存在し、自転車乗りであればだれでも知っているだろうというほど超有名な場所(コース)ラルプ・デュエズ

このラルプデュエズ距離13.8km・標高1850mとなっていますが、さすがにここまで高難度にしてしまうと登りきること自体が難しくなってしまうのでちょっと難易度を下げたと思われます。

しかし、私が住んでいる熊本で一番きつい峠と言われている二本杉峠ですら距離11km平均勾配7%前後の山ですのでこのAlpe Du Zwiftはホビーレーサーには十分すぎる山岳コースといえるでしょう。

 

そして、なによりタイム差が出るのがこの区間

このレース全体の総標高が2112mで、そのうち1036mがこのラルプ・デュ・ズイフトが占めている。つまり全体の標高の半分近くがこの山岳で消費されるという事になる。

どんだけ登るんだよ・・

 

つまり、ここでいかにペースを維持できるかが順位を上げるカギとなってくる。

二本杉峠で自分のタイムが50分ほどなので、このコースでは少し余裕をもって1時間切りを目指して走ってみようと思う。

 

 

さて、レースに戻ろう。

お花畑を通って最難関の山岳へ向かっていく。

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しばらくすると「やつ」が見てきた。

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大きすぎて高すぎて画面に収まりきれない・・・

あぁ。。登りたくねぇ。。

 

走っていると、通り道に遺跡発見

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本来ならここからはレベル12以上の人しか通ることが出来ないが、今回のイベントでは特別にレベルが低い人でも通れるようになっている。

まだレベル10のかずしんはもちろん今まで走ったことが無く、初めて通るコースとなる。

 

いろいろな遺跡を横目で見ながらサイクリング

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初めて通ったが案外面白い。

 

今回は長距離レースなので、集団でゆったり走っていると後続が合流して徐々に集団が大きくなってきてしまう。

1人で飛び出しても良いことないので、ゆっくり遺跡観光を楽しみながら走っていく。

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幻想的な景色がまた良い

 

 

しばらく走っていると遺跡を抜け、明るい場所へ出た。

登り口まだかなーとか思っていたら、実はすでに登り口についていたというね・・

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今の体力残量45%ほど

 脚にもあまり疲労はきておらず、自分的にはかなり良い状態

前のEpic KOMの下りでしっかりと脚をためれたのが効いているみたい。

 

坂が始まって100メートルでいきなりこの斜度

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いきなり激坂すぎぃ・・序盤からやってくれるなぁ(^_^;)

さすが超級山岳

それに加えて意外と集団のペースが速い。

因みにこの時の順位180位ほどで、上位10%の上位グループなので強者が集まっているようだ。

自分の目標の270位は既に切っているのであとはこの順位を守りきりゴールするのみ!

負けてられねぇ

 

 

アルプデュエズの代名詞である180°のつづら折りもきちんと再現されています。

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そしてこのAlpe Du Zwiftの大きな特徴としては、つづら折りひとつひとつ(カーブごと)に1~21までの番号が付けられているという事。

実際のラルプ・デュエズも頂上までに全部で21のカーブがありそれぞれのカーブには、ベルナール・イノーマルコ・パンターニと言った歴代のステージ優勝者の名前入りパネルが立てられているらしい。

ズイフトでは、その地点(カーブ)を通過すると前のつづら折り(通過地点)からのタイム平均パワーなどが表示されるようになっている。

スタート地点の麓(一番下)が21番ゴール地点である山頂が1番というように登るにつれて数字が減っていくという順番になっているので、残りの距離体力を計算してペース管理がしやすい。

さすがにこれほど距離が長く、登るだけでも時間がかかる山岳だとこうしないと精神的にも体力的にも持たないッス(汗)

 

登りが始まって1kmほどすると先程まで一緒に走っていた集団は崩壊し、数人の小さいグループになっていた。

集団も見かけなくなりポツポツとライダーが前方に見えるだけになっている。

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運が良いことに、自分と同じくらいの実力の人が居てくれたのでその人と共に登っていくことにした。

前に人が居ると本当に走りやすい。

Epic KOMでは220wくらいで登っていたが、少しペースを落として200w前後くらいで登るようにした。

それでも、疲れているのは自分だけではないらしく他のライダーたちもどんどん前から落ちてくる。

ペースを維持しながら順調に順位を上げていく。

 

 

ひたすら同じペースを保つのもなかなか難しい

登っていく途中にも幻想的な世界が広がっている。

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と、3分の1を過ぎたところで問題発生

なんとANT+の調子が悪くなり、ローラーノートパソコン通信途絶

数十秒で回復して再スタートしたが、先程まで付いて行っていた人からちぎれてしまった。

必死に付いて行っていた状態だったので一度千切れたら追いつけない。。

ANT+が切れたのと同時に集中力切れてしまい精神的にも体力的にも一気に疲れが・・・

ペースダウンしてしまいパワーが180wまで減

やばい!後続にどんどん追い抜かれるか!?と思ったが、意外と後ろからの追走は無く数人に抜かれる程度で済んだ。

もちろん前からペースダウンして落ちてくる人もたくさんいるので順位的にはどんどん上がっていく。

 

そしてついに9番つづらへ到着

やっと半分を過ぎた。「もう半分」と思うか「まだ半分」と思うかはあなた次第

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この付近になるとも積もっており、雲の中に入ったせいもあってか真っ白に曇っている。

太陽の光も届かないのでボヤーっとした風景となっている。

ただ、走っているときは必至すぎて何も感じなかった笑

 

 

そして7番つづらへ到着

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ついに雲を抜け、雲の上へ

雲海がめっちゃきれい☆

 

7番を超すと一気に山頂に近づいた風景になる

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ここで姿を現すのがたくさんのテント群

Alpe Du Zwiftのベースキャンプかな?

 

テントの他にも観測所?みたいな建物や簡易建築物など多くの建物が点在している。

さすがズイフト。かなりこだわって作りこまれていますね。

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山頂も目視で確認でき、やる気も出てきた!

残り約2Km頑張ろう!

 

左側は、右側は岩山

工事中なのか、工事用具や柵などがちらほら見える。

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そして、ここでラストスパート!!

180w前後で走っていたが一気に300wまでペースアップ!

これがこのレースで最後の山岳だし、あとは下りと平地のみなので脚が無くても集団にいれば問題ない。

前を走っていた数人をあっという間に抜いていく

体重50kgなのでPWR6倍

体力も脚も疲れてはいるが限界と言うほどではないのでまだまだ余裕はある。

 

と思っていた。そう、この時までは・・・

 

 

山頂付近に近づくと大きな衛星アンテナが見えてきた。

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このAlpe Du Zwiftの山頂には先程通ってきたキャンプ地衛星アンテナ、そして天文台・石のオブジェ・飛行船の離着陸場などがあります。

 

最後のつづらを曲がるとそこには天文台大きな像が姿を現す。

※レース中は見る暇ない

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実はこの山頂付近の景色は、昼と夜で景色建物が劇的に変化するらしく、夜になると夜空に色鮮やかなが現れたり、天文台から観測用のレーザーが照射されていたりと、昼とは全く違う幻想的な風景になるらしい。

昼も良かったけど、夜の風景も見たかった~。。次回登った時は絶対に見てやる!

 

 

そんなことを思いながらついにゴール!!

念願のラルプ・デュ・ズイフトをついに走破!

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いや~この達成感、堪りませんなぁ!

頑張って登っていきた甲斐がありました。

 

この時の順位は150位

結局、平均190wくらいで登ることが出来たからかなりの人を追い抜くことが出来た。

 

タイムは51分1秒

 

初登頂&40㎞走った後」にしてはかなり良いタイムなのではないだろうか。

次登る時は50分切りを目指します。

 

 

さて、レースも終盤に入りまして残りは下り平地のみ!

順位的にも270位以内という目標を余裕で達成できそう。

体力残量15%くらいかな?

最後のラストスパートで頑張りすぎてちょっと少なめだけど12㎞は下りで脚をためれるから大丈夫だろう。

さぁ、今日最後のダウンヒルを楽しもう!

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ルートはただ来た道を戻るのみ。

 

ヒィヒィ言いながら登ってくるライダーたちを横目で見つつ、僅かながらの優越感を感じながらも雪壁の中を猛スピードで下って行く。

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脚は完全にストップ状態

筋肉が固まらないためにも本当は少し回していた方が良いんだろうけど、そんな余裕はない!

 

下り始めて少しすると後続が数人追いついてきた。

かずしんは体重が軽い&チキンハートなので下りがめっちゃ苦手で遅い。

ゲームではコーナリングはコンピュータがやってくれるのでチキンハートは問題ないが、体重の軽さ下りのスピード影響がある

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結果、あっという間に5人ほど合流

せっかくラストスパートで3人ほど追い抜いたのに・・・

 

そしてズイフトを始めて2か月、やっとわかったことがある

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このクラウチングポジション

 

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他のライダーがやっているのは見たことがあるのだが、やり方がわからなかった。

ペダルを止めれば勝手にこのポジションになってくれるのね。

知れて良かった。

 

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やっぱりクラウチングはゲーム内でもかなり速い

漕いでないのに前者に追いつけるのはめっちゃ脚の節約になる。

 

 

あっという間に下り終えていよいよ平坦区間

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行き道に通ったレベル制限のゲートも通過

 

下りで集団も大きくなり、ドラフティングも使えるのであとは楽勝~♪

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付いていくだけでゴールまで連れて行ってくれる。

この時の順位130位

あれ?もしかしたらこの集団で先頭ゴールすれば100位以内行けるんじゃね!?という希望も出てきた。

 

そして残り16㎞地点

 

ここで体の異変に気付く

 

あれ?力が入らねぇ。。。

あれ?おかしいな。脚は残っているはずなんだけど。。

あ、やべぇきつい。めっちゃきつい。やばいやばいやばい。

 

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いきなりすぎて何が起こったか分からなかったが、とりあえずゴール前争いのために取っておいたドラフティングブーストを使用。

これで何とか乗り切ってやる!と思いきや、ブーストを掛けているにもかかわらず集団から離れていくかずしん。。。

 

そして・・・・

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ちーーん・・

 

完全にちぎれました。

ここでやっと何が起こったか理解

 

自転車乗りになじみ深く、競技者は誰でも一回は経験しているだろうと思われる現象。

そして最強、最悪の敵

そう、「ハンガーノック」です。

 

かずしんは今まで2回ハンガーノックになった事があり、一回目は昼の練習帰り、二回目は夜練の途中で発生。

どちらもめっちゃ辛かったけど、夜の方は特にツラかった。

練習の途中、ハンガーノックに気付くも山の中&夜ということもあり食べ物を買える場所は皆無。

仕方ないので練習を早めに切り上げ、山を下りようとしたが運の悪いことに山のど真ん中でどの方向に行っても約10㎞の距離、ついでに登りもあるという最悪の状況に追い込まれた。

下り、平地では時速10㎞ほどスピードが出たけど緩やかな登りになると時速3㎞ほどでしか進めなくなり100mごとに足をついて休憩しないとダメなくらい疲労困憊。

登りはたったの2㎞ほどで普通なら5分ほどで登り切れるような緩やかな坂だったけど、時速3㎞~5㎞しかスピードが出ないと時間もものすごくかかってしまう。

残りの8㎞程は平坦&下りだったが、結局山を下りるまでに1時間以上かかってしまい本当に辛かった・・・(最終的には家族に迎えに来てもらうという始末・・)

レースや練習でで全力で追い込んでいる時と同じ、またはそれ以上につらいかもしれない。

 

それからハンガーノックには絶対になりたくない!と思いを胸に練習してきたつもりだったのだが・・・・

完全に油断していた。

普通の外での練習では飯なんて食べなくても3、4時間は走り切れるので大丈夫だろうと思っていたが、まさかローラー台でハンガーノックになるとは思ってもみなかった。

15%以上残っていると思っていた体力残量が一気にゼロになった。

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夜練の時のハンガーノックに比べると全然たいしたことないが、やっぱりキツイ!

本当にまったく脚の力が無くなって20w出すのが限界なほど。いつもの約10分の1

すぐに塩おにぎりお菓子と・・・それ以外にも大量に食べたような気がするがレースの疲労ハンガーノックにより必死だったためあんまり覚えてない笑

 

もちろん食べたからと言ってすぐに回復はしない。

しばらくは脚に力が入らないが、とにかく順位を落とさないように少しでも先に進めるように脚を回し続ける。

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その後も、どんどん集団に追い抜かれなんと順位260位にまで下落

マップを見ていると後ろから20人ほどの集団が現れ徐々に近づいてくる。

そして、ものすごいスピード差で追い抜かれ一気に順位20番下がる

という悪夢のようなことを6回ほど経験しました笑

今までの頑張りが少しずつ少しずつ削られていくようで本当に悪夢だった・・・笑

 

 

そしてゆっくり進むこと10㎞

やっと先程食べた食べ物を吸収できたらしく、少しずつではあるが力が入れられるようになってきた。

と、ここでまた後ろから集団が一つ迫ってきている。

いまの順位260位

この集団に追い抜かれてしまうと目標の270位を超えてしまい、達成がかなり厳しくなってくる。

目標を達成するための方法はただ一つ

集団についていく!ただそれだけ。

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後ろから追い抜きを掛けてきた集団に気合で引っ付く

ここさえ乗り切れば・・ここさえ乗り切れば270位以内になれる!!

 

今までの努力を無駄にしないためにも必死に付いていく

ラルプ・デュ・ズイフトの苦しみに比べればこんなもの!・・・グハッ

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やっと街中に入ってきた。

さっき登ってきた山々が一望できた。ラルプ・デュ・ズイフトが「某・天空の城」に見えてきた。あれ?疲労かな?

あんなところに登っていたかと思うと我ながら感心する笑

 

 

そしてついに残り3㎞

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後ろから続々とペースを上げた集団が合流してきた。

さっきの集団に無理して付いて行って正解だった~

 

そのまま集団内で脚をためつつゴールスプリントに備える

そして、残り200m!

 

脚も限界だったが最後の力を全て振り絞りゴールスプリント開始!!!

 

そのままゴールできるかと思いきやまたも試練が・・・笑

残り50mで脚が攣った!ギャー―――! ←心の叫び

それでも気合で踏み続けゴール!!

 

ゴールと同時に脚の痛み攣っている痛みで、実際に「あ‘‘---ー」と叫んでしまいながらも、なんとかレース終了~

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 辛さと痛さと達成感で満たされるかずしん

 いやー、長かった・・・

 

さて、気になる順位は・・・・・262位!!

 

うぉ~、目標の270位までめっちゃギリギリやん。最後まで頑張って良かった!

 

 

そして、タイムは・・・・・2時間51分15秒!!

 

やった!3時間切りも見事達成!

まぁちょっと残念なのは最後のハンガーノックでのペースダウンが無ければあと10分くらい早かったっていう事

 でもとりあえず、総合10%270位以内を目指すという目標と、Alpe Du Zwiftで1時間切りという目標を見事達成できたので良かった!

最後のハンガーノックは本当につらくて、ラスト16㎞地点だったから最後まで頑張れたけど、もう少し早くハンガーノックになっていてそれがラルプ・デュ・ズイフトに登る前とかだったら絶対に自転車を降りていた。

まぁ、いろいろあったけど最終的には無事に完走できて本当に良かった!!

きつくて、つらくて、苦しくて・・でもそれがあったからこそゴールでの達成感がある。

私は、これが自転車の醍醐味だと思っています。

 

2019年の今年もL’Etape du Tourは開催されると思いますので、皆様もぜひ参加して年最後の苦しみと達成感を味わいましょう!

 

 

 

では、また!