ピュアクライマーのロードバイク日記

平地が超苦手なクライマーの日記です。トレーニング・レースレポート・機材紹介/インプレッション・日記など書きます。

アラフィリップがすごすぎる!第106回ツールドフランス第13ステージ

こんばんは

 

昨日の夜は、2019年106回ツールドフランスの第13ステージでした。

結論から言うと「やばい」

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今日は27kmの個人TTだったですが優勝はまさかのアラフィリップ

だれがこの結果を予想しただろうか。

 

アラフィリップは第3ステージでゴール10kmほど手前で驚異的なアタックで逃げを決めそのままステージ優勝+マイヨジョーヌを獲得。

第6ステージでトレックのチッコーネにマイヨジョーヌを取られるが再び第8ステージで後続を引き離しマイヨジョーヌを取り返す。

それもこの日の次の日は「フランス革命記念日

革命記念日にフランス人がマイヨジョーヌを着て走るなんて歴史的な快挙らしい

日本人でも、あのキレッキレのアタックを見てアラフィリップのファンになった人は少なくないはず。

それからはしばらくスプリントステージが続いて今日までずっとジャージを死守してきたが、今日のレースは今ツール最初で最後の個人タイムトライアル

このステージで2位のゲラントトーマスにジャージを取られるかもしれないという状況になる。

1分以上の差があったのでマイヨジョーヌを取られる可能性は低かったが、TTがそこまで得意ではないアラフィリップに対し、ゲラントトーマスは世界トップレベルのTTスペシャリスト

1分の差でも油断はできない。

 

そして今日はマイヨジョーヌ100周年記念

マイヨジョーヌが初めて着られた1919年からちょうど100年になる記念すべき日

その日にフランス人がマイヨジョーヌを着ていたらどれほどうれしいものか。

僕も、せっかくならアラフィリップにジャージを守ってほしいと思っていた。

 

 

そしてレース開始。

するとさっそく、優勝候補のTTスペシャリストであるトニーマルティンがゆったり走るというまさかの事態。

また、途中までトップタイムだったユンボヴィスマの選手が落車をしたり、タイムが伸びない選手が多々おり混戦状態に・・・

その中でトップタイムをたたき出したのがなんと逃げ職人のトーマスデヘント

既に面白すぎる展開✨

 

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逃げ職人というイメージのデヘント先輩。実は総合優勝もできる素質?


まさかデヘントがTT強いとは・・・知らなかった。

今思い返してみるとこのあたりからいつものTTとは違った展開へ進みだしていた。もしかするとここから歯車が狂いだしたのかもしれない。

 

デヘントのタイムに迫る選手はいるものの更新はできずそのままラスト3人(総合成績上位3人)の出走になった。

一人目は総合3位のエガン・ベルナル

しかしタイムが伸びず総合でも大きくタイムを落としてしまった。

残りは二人。ゲラントトーマスとアラフィリップだ。

もしステージ優勝するとしたらゲラントトーマス一択だろう。

あとはアラフィリップがどれだけゲラントトーマスとの差をつけられずにゴールできるかがカギとなってくる。

 

ゲラントトーマス出走

相変わらずの安定感。すごい速い。

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順調に飛ばすゲラントトーマス

第一計測でさっそく中間タイムを更新して上々な滑り出し

その後、アラフィリップが出走。走りを見ていても力が入っておらずそんなに速い感じがしない。

その反面、ゲラントトーマスがんがん踏んでおり相変わらずの良いペース。

第二計測でもやはりタイムを更新してきた。

やっぱりステージ優勝はゲラントトーマスか・・・と思ったその時、アラフィリップが第一計測でまさかのトップタイムをたたき出す。

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まさかのまさか、アラフィリップの激走劇が始まった。

最初は測定器の故障かと思った。ふつうは優勝候補のゲラントトーマスに勝てるはずがないと思うだろう。。。

しかし今年のアラフィリップは違うらしい。これぞマイヨジョーヌパワー!

 

しかし第二計測では少々失速してゲラントトーマスに2秒差まで差を詰められれてしまった。

パンチャーであるアラフィリップにはこの距離はきついかもしれないなぁと思う。

ここでゲラントトーマスがゴール

案の定、1位のデヘントに大差をつけて1位の座に立つ

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予想通りの1位タイム。安定の走りだった。

 

そして残るはアラフィリップのみ

アラフィリップは相変わらず失速気味・・・途中までは頑張れたとしても後半で体力が尽きてしまっては意味がない。

やはり持久力が高い総合系のゲラントトーマスに分がありそう。

「ステージ優勝はなくなったけど、この差であればマイヨジョーヌは守れるだろうから一安心だ」と思って見ていた。

 

そしてアラフィリップがゴール800m手前へ。

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最後の激坂での登りでもタイム差を広げていく

ゲラントトーマス優勝で決まりだな。と思ったその時!

そ表示されたゲラントトーマスとのタイム差に驚愕した。

 

なんと6秒ゲラントトーマスよりも上回っていた。

「え?え?まじ?」って感じ

さっき失速していたはずなのに・・・なんと後半の数キロで一気に巻き返してきた。

ここからは大興奮!まさかステージ取っちゃうんじゃないか・・・まさか。

 

残り250mでタイム差は33秒!

150m23秒!

 

・・・・ゴール!!!平均時速47.3km!

 

タイム差は・・・14秒!!

あのゲラントトーマスから14秒!!

すげぇ、やべぇ、すげぇ、やべぇ、すげぇ、やべぇ!それしか言えない。

 

 

そのままアラフィリップはゴールの先で待つチームスタッフのもとへ走り寄り歓喜の雄叫びを上げて喜び合う。

それも、ドリフトしながら向かってきた笑

 

この瞬間鳥肌が立ってしまいました。。。

 

誰もが予想しなかったアラフィリップのステージ優勝

そしてなおかつ「マイヨジョーヌ100周年のちょうどその日」に「フランス人」が「マイヨジョーヌを着て」、「TTステージ」を制する!

まさに歴史に残る奇跡の勝利といえるでしょう。

実況の栗村さんも30年ぶりのしびれるレースだったと絶賛していました。バグという表現も面白かった(笑)

本当にその通りだと思う。

きっとライブで見ていた人はほとんどの方が痺れたんじゃないかな。

本当に今年のツールは面白すぎる。ここ数年の中では今年が一番じゃないかとおもう。

何が起こるか予想できないレースが楽しみでしかたない。

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この勝利は予想外中の予想外。アラフィリップ自身も予想していなかったのかもしれない。

 

 

明日(2019/7/20)からは本格的な山岳に入る。

内容は・・・472mの4級、1474mの1級、そしてついに2000m越え2115mの超級山岳が待ち受ける。

自分的にもアラフィリップには勝ってほしいけど、このような山々が続くとチーム力でかなりの差が出てくるのでさすがにこのままジャージをキープするのはきついじゃないかと思う。

ただ、今日勝てたように普通ではありえないことが起こるのがロードレースの面白い部分でもある。

普通に考えればイネオス(ゲラントトーマス)が有力だろうけど・・・今日のような波乱が起きることを期待したい。

去年は山岳賞、そして今年はマイヨジョーヌ・・・成長度がすごすぎるアラフィリップ

残りのステージにも期待です。

 

では、また!

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