自転車ロードレース映画 茄子シリーズの紹介
こんにちは、かずしんです。
今日はおすすめの自転車映画『茄子』シリーズを紹介したいと思います。
目次
『アンダルシアの夏』
黒田硫黄の短編漫画集『茄子』に収録された『アンダルシアの夏』を原作とした日本のアニメーション映画
2003年7月26日に全国の松竹と東急系列の映画館で公開された作品
あらすじ
この映画の主人公は自転車レーサーです。
ビール会社をスポンサーに持つ「パオパオビール」というチームに所属している主人公の名は「ペペ・べネンヘリ」
映画内では多くの人にぺぺと呼ばれています。
そして、このぺぺがレース中に多くの問題や危機に直面しながらも、プロロードレーサーとしての仕事を全うするさまを描いています。
テレビで見るだけだとただ走っているだけの自転車選手ですが、この映画を見ると選手の気持ちやほかの選手・監督との関わり、またそれを支持しているスポンサーやロードレースの仕組みなど多くの事が見えてきます。
浅く万人受けする作品では無く、深くマニアックな作品となっています。
この作品の舞台となっているのはスペインの有名な自転車ロードレース「ブエルタ・ア・エスパーニャ」
作中を見ていただければ分かると思いますが皆ヘルメットをかぶっていません。
ヘルメットの義務化が定められたので2004年くらいからでしたので、この作品が作られた年代から考えてもおそらく1990年代後半のレースをもとに作られていると思われます。
見どころ
やはり、なんといっても自転車ロードレースならではの醍醐味、選手同士の駆け引きとゴール数キロ前からゴールスプリントにかけての迫力ある場面でしょう。
自転車は体力だけでは勝てません。心理戦でもあります。
個々が自ら考え、自分が、そしてチームが勝てると思ったところで攻撃を仕掛ける。
最後の数センチ、数ミリ相手より先にゴールするために全力を尽くします。
「アンダルシアの夏」は本物のロードレースを見ているという感覚で、ちょっと前に流行った「弱虫ペダル」のように感動的なシーンや奇跡のような100人抜き(笑)などはありません。
よってストーリー的に誰もが感動するようなインパクトはありません。
ですが、自転車が好きな方、レース観戦をする方、実際にレースに出られる方が見ればリアリティあふれる作品ゆえに共感できる部分が多くあると思います。
自転車を始めたての人や、あまり知らない人にはわかりにくい内容になっていますのでちょっとマニアックなアニメです。
自分も 自転車を始めたての時にこれを見たのですが、ロードレースの面白さ、そしてルールさえも分からなかった時代なのであまり面白く感じませんでした。
しかし今見てみると面白い!
自分がレースに出るからかもしれませんが、逃げの大変さ、厳しさ、苦しさ、プレッシャーの重さなどがひしひしと伝わってきます。
そして、このアニメの見どころはもう一つ。
この日のレースコースは地元を通っていくコース
そしてその日は兄の結婚式。
本来なら、地元のレース&兄の結婚という事で最高の日になるはずなのだが。。兄の結婚相手はかつての自分の恋人・・・そんな複雑な思いを抱きながらも、プロの仕事としてレースを動かしていくぺぺの感情の変化などが見どころです。(あんまりいうとネタバレになっちゃう。。)
『スーツケースの渡り鳥』
黒田硫黄の漫画『茄子』の短編『スーツケースの渡り鳥』を原作として2007年10月24日発売されたOVA作品。アニメーション映画『茄子 アンダルシアの夏』の続編。
前作同様、サイクルロードレースチーム「パオパオビール」に所属する選手の人間模様が描かれる。
あらすじ
前回の「アンダルシアの夏」の続編なので、前作と変わらず「ぺぺ・べネンヘリ」が主人公となっています。
今回の舞台は日本!
今となってはアジアで最上位カテゴリーに入っている伝統的なロードレース「ジャパンカップサイクルロードレース」を舞台に物語が進みます。
ジャパンカップは1990年に宇都宮市で開催された世界選手権自転車競技大会のメモリアルレースとして、1992年に創設されました。UCI(国際自転車競技連合)からはアジアにおける自転車競技発展の牽引役として認められています。
この映画ではぺぺの他に主人公的存在の人物がもう一人います。
名前は「ジャン・ルイージ・チョッチ」(映画内ではチョッチと呼ばれています。)
ぺぺとチョッチは宇都宮のジャパンカップに出場するためにチームパオパオビールの仲間と日本へ来る。
日本に来る少し前、チョッチの同郷の自転車レーサー「マルコ・ロンダニーニ」が自殺によって亡くなった。
マルコ・ロンダニー二は世界選手権を制した国民的英雄の選手、そしてチョッチとマルコは共にトレーニングを積んだ仲であった。
その悲しみゆえかチョッチはレーサーとして生き方に疑問を感じ引退を考える。
そういった中でのジャパンカップへの参戦。
深い悲しみと悩みを胸に抱えながら走るチョッチに焦点を当てた作品となっています。
前作の「アンダルシアの夏」よりはヘルメットをかぶる割合が大幅に多くなっています。
被っていない人もいることから義務化される前の年、2003年くらいのロードレースをもとに作ってあると思われます。
見どころ
前作はぺぺに焦点を合わせた作品でしたが、今回はチョッチがメインと言っても過言ではないと思います。
現実でも、昨年2017年4月22日アスタナプロチームのミケーレ・スカルポーニ選手が練習中の事故で無くなりました。
世界中の多くの自転車ファンが悲しみました。
一回も本人を直接見たことがないファンであっても、自分の知っている偉大な選手が亡くなる事はつらいことです。
しかし、それ以上に大切な人を亡くしたチョッチの心の変化、悩み、そして悲しみ。
映画中に「この世界に入って最初に言われたことが、苦しむこと以外考えてはいけないということだったな」というセリフがありますが、まさにその通りだと思います。
プロロードレーサーとはそういった職業。
そしてそのレーサーとしての生活に疑問を抱き始めたチョッチの行動、変化に注目です。
前作同様、様々な人間模様やロードレースの面白さ、辛さを感じることが出来る作品となっています。
もちろんゴールスプリントも面白いですが前作のように大人数ではなかったので、どちらかというとゴール前までのストーリーが面白い!
ワクワクドキドキする作品になっています。
最後に
さて、今回は『茄子』シリーズの紹介をしましたがいかがだったでしょうか?
両作品とも、とてもおすすめできる作品になっております。
ちなみに、題名が『茄子』とだけあってどちらの作品にも茄子料理が出てきます。
「アンダルシアの夏」には『茄子のアサディジョ漬け』
「スーツケースの渡り鳥」には『茄子の漬物』
どちらもすごくおいしそうに描かれています。
うおぉたべてぇ!と思った時には作っちゃいましょう☆
茄子のアサディジョ漬けは架空の食べ物らしいのでレシピを載せておきます。
作品の内容についてですが、強いて言えば個人的にはスーツケースの渡り鳥から見て欲しいです。
『スーツケースの渡り鳥』は『アンダルシアの夏』よりイラストもストーリーもかなり面白く仕上がっています!(最初に見るのであればこちらの方が入りやすいかもしれません)
イラストの一つ一つが丁寧に書かれていおり前作も十分リアルでしたが、絵がきれいになり動きが滑らかになったぶんよりリアルになりました。
僕は自転車アニメの中では一番リアリティーが高くロードレースの真に迫るアニメだと思います。
あと、舞台がジャパンカップということもいいですね!
ぜひご覧ください!
両方のエンディング曲の「自転車ショー歌」も聞いていくうちにはまります(笑)
自転車詳しくないといまいち分からないかもしれませんが面白いです。
歌だけならYoutubeでもあると思うので調べてみてはいかがでしょうか?
アマゾンプライム会員になると月400円でどちらも見れますのでおすすめです。
DVD・Blu-rayの新品購入もできます。
では、また!